ストレージの信頼性を高める技術 RAID(レイド)とは?

ハードディスク(HDD)の容量は年々増えてきており、ノートパソコンでも数百GBほどのHDDは珍しくなくなってきました。中には、1TB(テラバイト=1024GB)といったような「超大容量」の製品も登場しています。

 

HDDの大容量化は非常に便利ですが、一方でその寿命はせいぜい3年〜5年程度。消えては困るファイルが、ある日突然のHDDのクラッシュによって、全て消えてしまう可能性もあります。したがって、HDDなどのストレージには、信頼性の確保が問題となります。

 

そんなもしもの事態でもデータが消えないような「壊れないHDDが欲しい」という願いを叶えてくれるHDDはないのでしょうか? 実はあるのです。それがRAID(レイド)機能付きLAN接続型HDDと呼ばれるものです。

 

RAIDとは、「Redundant Array of Independent Disks」の略で、複数の内蔵HDDをまとめて1台のHDDとして管理する方式のことをいいます。

 

そのメリットは、ドライブの中のどれかのHDDが故障しても、他のHDDにデータが残るようになっているので安全に使うことができ、RAIDの方式によっては、高速の読み書きが実現できることにあります。

 

ディスク構成などによってRAID 1〜5が定義されていましたが、現在はRAID 0とRAID 6を加えた7つが基本的なRAIDレベルとして扱われています。ただし、実際に利用されているのはRAID 0/1/5/6の4つやその組み合わせがほとんどです。

 

RAIDを導入したからといって、バックアップ自体が不要になるわけではありません。たとえば、オペレーターによる誤操作や、ソフトウェアの不具合、ウイルス感染によるデータ破壊などのリスクはつきまといます。RAIDを利用していても、バックアップを取ることは忘れないようにしましょう。

知っておきたいRAIDの方式

 

RAIDには大きく分けて次のような方式があります。

 

RAID 0(ストライピング)

 

速度重視の方式です。1つのデータを分割して、複数のドライブに書き込むことで、アクセス速度を向上させます。ドライブ数を増やすと読み込み速度は向上しますが、どれか1つでも故障してしまうと、データが復旧できないというデメリットもあります。

 

厳密にはRAIDには含まれておらず、他のRAIDレベルと組み合わせて使うことが多いので、RAID 0という認識となっています。

 

RAID1(ミラーリング)

 

安全性重視の方式です。1つのデータを複数のドライブに同時に書き込みます。自動でファイルをバックアップでき、どれか1台のドライブが壊れてもファイルは復元できます。

 

デメリットは、中に数台のHDDがあっても、1台分の容量しか使用できないので、ディスク容量の利用効率が悪くなります。また、複数のドライブに同一データを書き込むので、単体で利用する場合に比べて速度が低下する場合があります。

 

RAID 5

 

高速と安全性を兼ね備えた方式です。データを分割保存するときに、復元用のデータである「エラー訂正データ」を作成して保存します。HDDの速度と容量、安全度のバランスが最も良い方式といえます。

 

なお、欠点もあり、同時に2台の以上のドライブが壊れると、データを復元できず失われてしまいます。

 

RAID 6

 

1台のドライブが故障すると耐障害性がゼロになるRAID 5の欠点を補うために生まれたのがRAID 6です。2台までのドライブが障害を起こしても、データが保持できます。

 

ただし、処理項目が増えているので、速度が低下するという欠点もあります。

 

 
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