大切な個人情報を守るには

ノートパソコンやポータブルHDDを置き忘れて、個人情報やデータが流出している事件がひんぱんに起こっています。またHDDの盗難も問題になっています。

 

そんな万が一の事態に備えてデータを守る方法が存在します。それがHDDの暗号化です。あらかじめHDDの一部を暗号化しておき、「仮想ドライブ」にしておきます。

 

第三者の手に渡っても、パスワードを入力しなければ閲覧できなくなるので、重要なデータはすべてその中に保存するようにしておくとひとまず安心です。

 

ここでは暗号化の仕組みと利用方法を紹介します。

 

ウィンドウズ標準の機能ではセキュリティに不安

 

ウィンドウズにも、標準の機能でデータを守るためのセキュリティ機能がいくつか付いています。しかし、いずれも脆弱なため、いとも簡単に破られてしまう不安があります。

 

ログオンパスワードを設定しても、内蔵HDDを取り出して他のパソコンに接続すれば全く意味がありません。

 

マイドキュメントを「個人用」に設定して自分だけアクセスできるようにしても、「管理者」権限でログオンして「アクセス」許可をすればファイルの中身は丸見えです。

 

また、圧縮したZIPファイルにパスワードを設定しても、解読用のフリーソフトを使えば簡単に解読されてしまいます。パスワードを調べるソフトは自分が忘れたときには便利ですが、それを逆手に取ることもできてしまいます。

 

■Pika Zip
忘れてしまったZIPのパスワードを調べられるフリーソフト
URL http://www.vector.co.jp/soft/win95/util/se078535.html

TrueCrypt(トゥルークリプト)で暗号化

暗号化領域は、見た目は文字化けした正体不明のファイルにしか見えませんが、あらかじめ設定しておいたパスワードを入力すると、新しいドライブ(仮想ドライブ)としてマイコンピュータに表示されます。

 

HDD内のファイルを守るには、このようにドライブの一部を暗号化するのが最も効果的な方法といえます。なお、パソコンを終了させると、仮想ドライブは自動的に暗号化されて、ファイルは正体不明のファイルに戻ります。

 

TrueCrypt(トゥルークリプト)

 

TrueCryptには脆弱性があることがわかり、現在は開発が中止されています。製作者は、Microsoftが実装するフルディスク暗号化機能であるBitLockerに移行するように呼びかけています。

 

まず「TrueCrypt」のサイトで「Downloads」をクリックして、下の方の「Download」をクリックすればセットアップファイルが入手できます。

 

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続いて、日本語化するための言語パックを入手します。サイトに移動したら、「日本語」欄にある「Download」をクリックしてZIP形式のファイルを入手しましょう。

 

プログラムをインストール後に日本語化パックを組み込めば準備は完了です。日本語化するには、Cドライブの「Program Files」内にある「TrueCrypt」フォルダへ、日本語化のパックをすべてドラッグ&ドロップしましょう。

 

【手順】
TrueCryptの起動は「スタート」メニューから行います。暗号化された仮想ドライブを作るには、まずメイン画面から「ボリュームの作成」ボタンを押します。続くウィザード画面では、まず「コンテナファイルを作成」を選んで「次へ」をクリックします。

 

次の画面では、「TrueCrypt標準ボリューム」を選択して「次へ」を押します。次に表示される画面では「ファイルの選択」をクリックして、適当な名前を入力します。自分の好きな名前を入力したら、「保存」ボタンを押して、最後に「次へ」ボタンを押します。

 

「暗号化オプション」では何もしないでそのまま「次へ」を押します。次の「ボリュームのサイズ」の画面では、暗号化する仮想ドライブの容量を指定します。このとき、空き容量より少ない容量を指定しましょう。

 

次の画面で、暗号化した仮想ドライブを利用するためのパスワードを設定します。2回入力したら、仮想ドライブのファイルシステムを「NTFS」にして、最後に「フォーマット」ボタンを押せば暗号化ファイルの作成が完了です。

 

 
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