HDDに使われている技術

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ストレージデバイス、つまりデータを格納する電子媒体としてもっとも汎用的に使われているのが「HDD(Hard Disc Drive)」です。HDDは、磁性体を塗布した円盤に情報を記録していくというものです。

 

その歴史は、1956年9月に発表された「IBM305 RAMAC」までさかのぼります。24インチのディスクを51枚使用したもので、容量は約4.8MB!音楽データ1曲が収まるかどうかの容量ですが、当時としては画期的なものでした。

 

その後もIBMはどんどん改良が重ねられて、磁気ディスクやデータを読み出すヘッド、ヘッドを動かすアームなどがケースのなかに密封されて、外部から触れられないウィンチェスター型と呼ばれる「IBM 3340」が誕生しました。

 

IBM 3340は今日のHDDの原型とも言えるもので、密閉することで塵や埃の侵入を防いで信頼性を向上させるとともに、ディスク上の空気の流れを使ってヘッドを浮上させる方式をとっています。

 

HDDの構造を簡単に説明すると、ディスク(プラッター)、ヘッド、モーター(スピンドルモーター)の3つが主な部品になります。モーターを使って回転させたディスクから、ヘッドを使って情報を読み書きしています。HDDの性能はどんどん進化していますが、これらの部品の進化が大きく関係しているというわけです。

 

IBMのように初期のディスクは磁性塗料円盤状に塗布したものでしたが、記録密度を向上させるためには磁性体を薄くする必要があります。

 

そこで現在は、ディスクとディスクに付着させる磁性体を同じ空間に置いて真空状態を作り出し、電圧をかけることでディスク上に膜を生成する「スパッタ方式」が用いられています。

 

ディスクの素材も、従来のアルミ合金から強化ガラスに変わっています。強化ガラスは衝撃に強く、アルミ合金に比べて剛性が高く、ディスク自体の薄型化にも対応できることから、3.5インチHDDの主流となっています。

 

ディスクに割り当てられた”番地”で記録場所を特定

 

ディスクの表面は一見何もないように見えますが、実はトラックとセクターという”番地”が割り当てられており、この2つからデータが記録されている場所を特定しています。

 

トラックはディスク上に同心円状に配置された線で、そのトラックをさらに細かく区切ったものがセクターです。ディスク上には何本もの輪(トラック)があって、それを区切った1区画(セクター)にデータが記録されるというしくみです。

 

そして、各ディスクの記録面で、同じ位置にあるセクターをまとめてシリンダーと呼びます。通常、HDDは複数のディスクで構成され、1枚のディスクの両面に情報が書き込まれています。記録面にはデータを読み書きするヘッダーも用意されていますが、バラバラに動くわけではありません。

 

ある記録面のセクターにデータを書き込むとき、別の記録面にも同じ位置にヘッダーがあります。そこで、セクターをまたがったデータを書き込む際に、各記録面の同じ位置にあるセクター、つまりシリンダーに情報を書き込めば、ヘッドを動かさずに高速に読み書きができるようになります。

 

 
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